
その噂、本当?「バリ島行かない方がいい」と言われる理由と、それでも行くべき人の条件
「神々の島」「地上の楽園」と称される美しいバリ島。しかし、インターネットで情報を集めていると、「バリ島行かない方がいい」という、気になる言葉を目にすることがあります。
「楽園のはずなのに、どうして?」「何か危険なことがあるの?」
そんな不安や疑問を抱えて、このページにたどり着いたのではないでしょうか。
その懸念は、もっともです。何も知らずに訪れると、残念な現実に直面してしまう可能性はゼロではありません。
しかし、ご安心ください。この記事では、そうしたネガティブな情報の背景にある「具体的な理由」と、それらをすべて回避するための「賢い対策」を、どこよりも分かりやすく解説します。
●この記事を読んでほしい人
- バリ島への旅行を検討しているが、治安や衛生面に不安を感じている人
- 「バリはがっかりする」という口コミを見て、行くべきか迷っている人
- 初めてのバリ島旅行で、絶対に失敗したくないと考えている人
●この記事を読むメリット
- 「行かない方がいい」と言われる5つの明確な理由がわかる
- 観光客を狙う犯罪の手口と、具体的な防犯対策がわかる
- 「バリ腹」や感染症を防ぐための、正しい健康管理法がわかる
- 渋滞や混雑を避けて快適に旅するためのコツがわかる
- 不安が解消され、自信を持って旅行の計画を立てられるようになる
この記事を読み終える頃には、あなたの漠然とした不安は「最高のバリ旅行」への期待に変わっているはずです。
なぜ「バリ島行かない方がいい」と言われる5つの理由

観光客を狙う巧妙な犯罪の手口
神々の島と呼ばれるバリ島は、本来とても穏やかで治安の良い場所です。しかし、世界中から観光客が集まる人気エリアでは、残念ながら旅行者を狙った軽犯罪が日常的に発生しているのも事実です。
多くの犯罪は、手口を知っていれば未然に防ぐことができます。まずは、どのような危険があるのかを具体的に見ていきましょう。
バイクでのひったくりと人混みでのスリ
バリ島で最も頻繁に報告される犯罪が、バイクを使ったひったくりです。歩行者の後ろから近づき、スマートフォンや肩掛けバッグを奪い去ります。バッグを掴まれたまま引きずられ、大怪我につながるケースもあるため、特に注意が必要です。
また、市場や寺院、レストランといった人が多い場所では、スリや置き引きが多発します。
状況 | 対策 |
道を歩く時 | ・歩きながらのスマートフォン操作は絶対にしない。 |
・バッグは必ず車道と反対側の、建物側で持つ。 | |
人混みにて | ・リュックサックは背負わず、体の前で抱えるように持つ。 |
食事の際 | ・貴重品を入れたバッグを椅子や足元に置かない。 |
開放的な気分で注意が散漫になりがちですが、貴重品からは決して目を離さないように心がけてください。
ATMと両替所でのお金のトラブル
現金を引き出す際や両替時にも、巧妙な手口の詐findが存在します。
- ATMスキミング
ATMのカード挿入口に、カード情報を盗み取るための機械(スキマー)が取り付けられていることがあります。安全のため、ATMは路上に設置されたものではなく、銀行の店内や警備員がいるショッピングモール内のものを利用しましょう。 - 両替所での詐欺
非常に良いレートを提示している非正規の両替所で、お札を数えるふりをしながら巧みな手つきで数枚抜き取られる被害が頻発しています。「Authorized Money Changer」という看板のある公認の両替所や銀行を利用し、受け取った現金はその場で必ず自分で数え直すことが大切です。
移動中に潜むタクシーの罠
空港や観光地で客引きをしているタクシーの中には、メーターの使用を拒否して法外な料金を請求してくる悪質なドライバーがいます。
バリ島でタクシーに乗る際は、最も信頼性が高いとされる「ブルーバード・グループ」のタクシーを選びましょう。偽物も多いため、以下の特徴を覚えておくと安心です。
- 明るい水色の車体
- フロントガラス上部に「BLUE BIRD GROUP」の表記
- 鳥のロゴマーク
- 青い制服を着たドライバー
これらの犯罪は、観光客が集中するクタ、レギャン、スミニャック、チャングーといった繁華街で特に多く発生しています。楽しい旅行を台無しにしないためにも、「人気の場所ほど狙われやすい」という意識を持つようにしてください。
突然襲う「バリ腹」と感染症のリスク
せっかくの旅行も、体調を崩してしまっては楽しむことができません。日本とは水や衛生環境が異なるため、健康管理には細心の注意が必要です。特に注意したいのが、多くの旅行者が経験する「バリ腹」と、日本では馴染みのない感染症です。
多くの旅行者が悩む「バリ腹」の正体
「バリ腹」とは、旅行中に起こる急な腹痛や下痢のことで、その原因は一つではありません。
- 水
バリ島の水道水は飲むことができません。細菌が含まれている可能性があるため、歯磨きやうがいに使うのも避け、必ず未開封のミネラルウォーターを使いましょう。屋台やローカルレストランの氷も水道水から作られている場合があるため、注意が必要です。 - 食べ物
生野菜や、火の通りが不十分な肉・魚介類は食中毒の原因になることがあります。食事は、清潔そうなお店で、十分に加熱された温かいものを選ぶと安心です。 - 環境の変化
慣れない気候や長時間の移動による疲れ、香辛料の効いた食事など、旅行中のストレスが消化器官の不調を引き起こすこともあります。
バリ腹を防ぐためのチェックリスト
- [ ] 飲み水は必ずペットボトルのミネラルウォーターにする
- [ ] 信頼できるホテルやレストラン以外では氷入りの飲み物を避ける
- [ ] 食事の前には必ず手を洗うか、除菌シート・ジェルを使う
- [ ] 疲れを溜めないよう、ゆとりのあるスケジュールを組む
- [ ] 日本から普段飲み慣れている整腸剤や胃腸薬を持参する
もし症状が出てしまった場合は、無理に行動せず、こまめな水分補給を心がけて安静にしてください。高熱が出たり、症状が重かったりする場合は、ためらわずに医療機関を受診しましょう。
蚊や動物からうつる危険な病気
バリ島には、蚊や動物が媒介する、日本では稀な感染症のリスクも存在します。
病名 | 感染経路 | 主な症状・危険性 | 対策 |
デング熱 | ウイルスを持つ蚊に刺される | 高熱、頭痛、関節痛。重症化すると命に関わることも。 | ・虫除けスプレーをこまめに使用する。<br>・特に夕方以降は、長袖・長ズボンを着用する。 |
狂犬病 | 感染した犬やサルに咬まれる | 発症した場合の致死率はほぼ100%。 | ・どんなに可愛くても、野良犬やサルには絶対に近づかない、触らない。 |
特に狂犬病は非常に危険な病気です。万が一、動物に咬まれたり引っかかれたりした場合は、すぐに傷口を石鹸と水でよく洗い流し、直ちに病院で適切な処置を受けてください。
これらの健康リスクは、基本的な対策を心がけることで十分に防ぐことができます。楽しい思い出を作るためにも、自己管理を徹底しましょう。
計画が台無しになる慢性的な大渋滞
バリ島旅行の計画を立てる際、多くの人が見落としがちなのが「移動時間」です。地図の上ではすぐ近くに見える場所でも、実際には車で1時間以上かかることは珍しくありません。特に南部エリアの交通渋滞は、旅行者の想像を絶するレベルに達しています。
この交通事情を知らずにスケジュールを組むと、計画が大きく崩れてしまう可能性があります。
なぜバリ島の渋滞はこれほどひどいのか?
バリ島の渋滞には、いくつかの複合的な原因があります。
- 急増する交通量
狭くて整備が追いついていない道路に、観光客が利用するレンタカーやバイク、配車サービスの車が集中しています。島のインフラが、急激に増えた観光客の数に対応しきれていないのが現状です。 - 予測不能な道路封鎖
バリ島では、バリ・ヒンドゥー教の宗教儀式が人々の生活の中心にあります。結婚式やお葬式などの儀式で道路が突然封鎖されることは日常茶飯事で、渋滞に拍車をかけています。
詰め込みすぎの計画が招く残念な結果
交通渋滞を考慮せずにスケジュールを組むと、せっかくの旅行が残念な思い出になりかねません。
ありがちな失敗プラン | 賢いプランの考え方 |
1日に5ヶ所以上の観光地を詰め込む | 「絶対に外せない場所」を2〜3ヶ所に絞る |
地図アプリの到着予測を信じる | 表示時間の2倍、時には3倍かかると想定する |
空港への移動をぎりぎりに設定する | フライトの4時間前には出発するくらいの余裕を持つ |
「有名なサンセットスポットに間に合わなかった」「一日中車に乗っていただけで、ほとんど観光できなかった」という声は、決して他人事ではありません。計画通りに進まない焦りやイライラは、旅行全体の満足度を大きく下げてしまいます。
バリ島でのスケジュール管理の秘訣は、ずばり「欲張らないこと」です。一つのエリアに滞在し、その周辺をゆっくり巡るような、余裕のある計画を立てることが、結果的に旅を豊かにしてくれます。
「楽園」のイメージを壊すゴミ問題
多くの人がバリ島に抱くイメージは、きっと透き通った青い海とどこまでも続く白い砂浜ではないでしょうか。しかし、その美しいイメージが、訪れる時期や場所によっては裏切られてしまうという、不都合な現実があります。
ビーチを覆うプラスチックごみの現実
バリ島のビーチは、残念ながら常に美しいわけではありません。特に、雨季(およそ11月〜3月頃)になると、海から大量のプラスチックごみが海岸線に打ち寄せられます。
世界的に有名なクタビーチやスミニャックビーチでさえ例外ではなく、ペットボトルやビニール袋などのゴミで砂浜が覆われてしまう光景は、多くの旅行者をがっかりさせています。せっかく楽しみにしていたビーチが、想像とは全く違う姿だったという事態も起こりうるのです。
これはマナーだけの問題ではない
ビーチのゴミ問題は、単に「観光客がゴミをポイ捨てするから」というマナーだけの問題ではありません。その背景には、バリ島全体が抱えるもっと大きな課題が隠されています。
- 観光客の急増とゴミの増加
バリ島の人気が高まるにつれて、島を訪れる人の数が爆発的に増えました。その結果、島全体で排出されるゴミの量も急増しています。 - 追いつかない処理システム
増え続けるゴミの量に対して、島の廃棄物処理施設や収集システムといったインフラの整備が追いついていません。処理しきれなかったゴミが、最終的に海へ流れ出てしまっているのです。
この問題は、バリ島が直面する「オーバーツーリズム」が引き起こした、構造的な課題の一つと言えます。がっかりしないためには、このような現実も理解した上で、訪れる時期を考えたり、比較的影響の少ないエリアを選んだりする工夫が必要になります。
知らないと損する観光税と新ルール
バリ島旅行を計画する上で、旅費やツアー代金といった目に見える費用のほかに、見落とせないルールや手続きが存在します。特にここ数年で新しい制度が導入されており、知らないまま現地へ行くと、余計な出費やトラブルに見舞われる可能性があります。
スムーズな旅行のために、出発前に必ず確認しておきたい最新のルールを見ていきましょう。
2024年から始まった「観光税」
バリ島の文化と自然環境を保護するため、2024年2月14日からすべての外国人観光客を対象に「観光税」の支払いが義務付けられました。
項目 | 内容 |
正式名称 | バリ島観光税 (Bali Tourism Levy) |
対象者 | バリ島を訪れる全ての外国人観光客 |
金額 | 1人あたり 150,000インドネシアルピア |
支払い方法 | ①事前のオンライン決済 (Love Baliの公式サイト/アプリ)<br>②バリ島到着時に空港の専用カウンターで支払い |
空港のカウンターは混雑することもあるため、日本出発前に公式サイト「Love Bali」からクレジットカードで支払いを済ませておくのがスムーズです。
オンラインで済ませる「電子税関申告」
インドネシアへ入国する全ての渡航者は、税関申告をオンライン(e-CD)で行う必要があります。
- いつ?:インドネシア到着日の2日前から登録可能です。
- どうやって?:公式サイトにアクセスし、パスポート情報やフライト情報、滞在先などを入力します。
- 何が必要?:登録が完了すると表示されるQRコードを、スマートフォンに保存するか印刷しておき、空港の税関で提示します。
以前は機内で紙の税関申告書が配られていましたが、現在はオンラインでの手続きが必須となっていますので、忘れないようにしましょう。
パスポートや運転に関する落とし穴
基本的なことですが、意外な落とし穴になるのがパスポートや免許証のルールです。
- パスポートの残存有効期間
インドネシア入国時に、パスポートの有効期間が「6ヶ月以上」残っている必要があります。もし残存期間が6ヶ月未満の場合、航空会社のカウンターで搭乗を拒否されてしまうため、旅行計画の早い段階で必ず確認してください。 - 国際運転免許証
残念ながら、日本で発行された国際運転免許証はインドネシア国内では有効ではありません。観光客がバリ島で合法的に車やバイクを運転することはできない、と覚えておきましょう。
これらのルールは変更される可能性もあるため、旅行前には必ず航空会社や在インドネシア日本国大使館のウェブサイトなどで、最新の情報を確認する習慣をつけることが大切です。
「バリ島行かない方がいい」を覆す!賢い楽しみ方5選

混雑を避けるなら南部以外のエリアへ
これまでお伝えしてきた渋滞や混雑、犯罪といった問題の多くは、実はバリ島全体で起きているわけではありません。そのほとんどが、クタ、レギャン、スミニャック、チャングーといった、観光客が過度に集中する「南部沿岸エリア」での出来事です。
しかし、その賑やかなエリアから一歩踏み出すだけで、驚くほど穏やかで、文化的な魅力にあふれた「もう一つのバリ」が広がっています。人混みを避け、心からリラックスしたいなら、南部以外のエリアに目を向けてみましょう。
芸術と癒やしの村「ウブド」
バリ島の文化的な中心地として知られるウブド。中心部は多くの観光客で賑わっていますが、少し郊外に出ると、どこまでも続くライステラス(棚田)や渓谷の絶景が広がっています。
- 緑の田園風景を眺めながらカフェでくつろぐ
- バリ絵画や彫刻などのアートギャラリーを巡る
- 毎晩開催されるガムラン音楽や伝統舞踊を鑑賞する
- ヨガやスパで心と体を深く癒やす
都会の喧騒から離れ、バリ島の芸術や精神性に触れたい方には最高の場所です。
静かな海と大自然が広がる「北部エリア」
南部のビーチとは全く異なる、静かで落ち着いた雰囲気が魅力の北部エリア。手つかずの自然の中で、のんびりと過ごしたい方におすすめです。
- ロビナ
穏やかな黒砂のビーチが広がり、早朝には野生のイルカの群れに出会えるドルフィンウォッチングが人気です。 - ブドゥグル
涼しい高原地帯に位置し、ブラタン湖に浮かぶように建つ「ウルン・ダヌ・ブラタン寺院」の幻想的な姿は、バリ島を代表する風景の一つです。
絶景と冒険が待つ「東部エリア」
バリ最高峰アグン山の麓に広がる東部エリアは、より冒険心をくすぐる旅を求める人にぴったりです。
- アメッド、トランベン
世界中のダイバーが集まるダイビングの聖地。沈没船を巡るシュノーケリングも楽しめます。 - ランプヤン寺院
「天国の門」として知られ、アグン山を背景にした神秘的な写真を撮ることができます。
エリア別おすすめスタイル
エリア | こんな人におすすめ | キーワード |
南部 | 買物や夜遊びなど都会的な刺激が欲しい | ショッピング、ナイトライフ、便利 |
ウブド | バリの文化や芸術、癒やしを深く体験したい | アート、ライステラス、ヨガ、自然 |
北部 | 人混みを離れて静かにのんびりと過ごしたい | 穏やか、イルカ、絶景寺院、避暑 |
東部 | 手つかずの自然の中でアクティブに活動したい | ダイビング、絶景、冒険、秘境感 |
このように、バリ島はエリアによって全く異なる顔を持っています。自分の旅のスタイルに合わせて滞在先を選ぶことが、満足度の高い旅行への第一歩です。
移動は配車アプリ「Grab」が鉄則
バリ島の交通手段で、多くの旅行者が頭を悩ませるのがタクシーです。残念ながら、メーターを使わずに不当な高額料金を請求するトラブルは、今も後を絶ちません。
しかし、スマートフォン一つでその不安をほぼ完全に取り除ける方法があります。東南アジアで広く普及している配車アプリ「Grab(グラブ)」を徹底的に活用することです。
なぜ配車アプリが最強の移動手段なのか?
「Grab」の利用は、もはや単なる便利な選択肢ではなく、安全な旅に不可欠なツールと言えます。従来のタクシーが抱える問題点を、アプリのシステムが見事に解決してくれます。
- 乗る前に料金が確定する
目的地を入力すると、その時点での料金が画面に表示されます。渋滞しても料金が変わることはなく、料金交渉やぼったくりの心配が一切ありません。 - GPSでルートが追跡される
アプリの地図上で、車が目的地まで最適なルートを通っているかを確認できます。わざと遠回りされる心配がありません。 - ドライバーの情報が記録される
ドライバーの顔写真、名前、車のナンバー、利用者からの評価が事前にわかります。万が一忘れ物をしても、アプリを通じて連絡を取ることが可能です。
日本出発前の準備が成功のカギ
バリ島で「Grab」をスムーズに使いこなすためには、日本にいる間の事前準備が非常に重要です。
準備ステップ | 内容 |
①アプリのダウンロード | スマートフォンに「Grab」のアプリをインストールします。 |
②アカウント登録 | 電話番号を使い、SMS認証でアカウントを作成します。 |
③クレジットカードの登録 | 支払い方法としてクレジットカードを登録しておくと、現金不要でスムーズに降車できます。 |
特に、電話番号を使ったSMS認証は、海外ではうまくいかない場合があるため、必ず日本国内で済ませておきましょう。
現地での使い方はとても簡単です。現在地と目的地を入力し、車(Car)かバイク(Bike)を選んで配車を依頼するだけです。迎えに来た車のナンバーがアプリの表示と一致しているかを確認してから乗車しましょう。
バリ島での移動ストレスをなくし、時間とお金を節約するためにも、「Grab」の準備は絶対に忘れないようにしてください。
安全を守る!防犯対策チェックリスト
バリ島で起こる犯罪の手口を知っても、いざ現地に着くとつい開放的な気分で油断しがちです。そこで、旅の間ずっと意識しておきたい基本的な防犯対策を、分かりやすいチェックリストにまとめました。
出発前にもう一度確認して、安全な行動を習慣にしましょう。
外出時の基本行動
- [ ] 歩きながらのスマートフォン操作はしない。立ち止まって安全な場所で使う。
- [ ] バッグは必ず車道と反対側の、建物側で持つ。
- [ ] 人混みでは、リュックサックは体の前に抱えるように持つ。
- [ ] 夜間や早朝に、一人で出歩かない。
- [ ] 見知らぬ人から親しげに話しかけられても、安易に財布や現金を見せない。
貴重品とお金の管理
- [ ] 多額の現金は持ち歩かず、ホテルのセーフティボックスに保管する。
- [ ] パスポートの原本は、法律で携帯が義務付けられているため、常に身につける。
- [ ] ATMは路上にあるものではなく、銀行店内や警備員がいるショッピングモール内で利用する。
- [ ] 両替は「Authorized Money Changer」の看板がある正規の両替所で行う。
- [ ] レストランやカフェで、荷物を置いたまま席を離れない。
もしもの時のための備え
- [ ] 海外旅行保険には必ず加入しておく。
- [ ] パスポートの顔写真ページやクレジットカードは、スマートフォンで写真を撮っておく。
- [ ] 緊急時の連絡先(保険会社、在デンパサール日本国総領事館)をメモしておく。
少し意識して気をつけるだけで、トラブルに遭う可能性は格段に低くなります。「自分は狙われているかもしれない」という意識を心の片隅に置きつつ、バリ島旅行を思いっきり楽しんでください。
体調万全で旅する健康管理のコツ
最高の景色や文化体験も、体調が万全でなければ心から楽しむことはできません。バリ島の環境は日本と大きく異なるため、少しの油断が体調不良につながることもあります。
旅行を最後まで元気に楽しむための、簡単な健康管理のコツを習慣にしましょう。
「水」と「食べ物」で失敗しないために
多くの旅行者が悩まされる「バリ腹」は、口に入れるものに少し気をつけるだけで、そのリスクを大幅に減らすことができます。
- 飲むのは「未開封のミネラルウォーター」だけ
水道水は絶対に飲まないでください。念のため、歯磨きやうがいの際もミネラルウォーターを使うとより安心です。 - 氷は要注意
ローカルな食堂や屋台の氷は、水道水から作られている可能性があります。信頼できるホテルやレストラン以外では、飲み物は「氷抜き(No Ice)」で注文するのが賢明です。 - 食事は「火が通った温かいもの」を基本に
生野菜やカットフルーツ、火の通りが甘い料理は避け、十分に加熱されたものを選びましょう。 - 食事前の除菌を徹底する
ウェットティッシュや携帯用の除菌ジェルは常に持ち歩き、食事の前には手指を清潔にする習慣をつけてください。
虫や動物から身を守る習慣
日本にはいない病気を媒介する虫や動物との接触は、意識的に避ける必要があります。
- 虫除けスプレーは必需品
特に蚊が活発になる夕方から夜にかけては、こまめに虫除けスプレーを使いましょう。足元や首筋など、塗り忘れやすい部分にも注意してください。 - 野良犬やサルには近づかない
狂犬病のリスクがあるため、どんなに可愛らしく見えても、動物には絶対に触れてはいけません。適切な距離を保つようにしてください。
南国の気候と上手に付き合う方法
バリ島の強い日差しと高い湿度は、知らず知らずのうちに体力を奪います。
対策 | 具体的な方法 |
日焼け対策 | SPF値の高い日焼け止めをこまめに塗り直す。<br>帽子、サングラス、UVカット機能のある羽織りものを活用する。 |
熱中症対策 | 「喉が渇いた」と感じる前に、意識して水分と塩分を補給する。<br>日中の最も暑い時間帯の長時間の行動は避ける。 |
また、万が一に備えて、飲み慣れた整腸剤や胃腸薬、経口補水液の粉末などを日本から持参すると、いざという時に安心です。
唯一無二の文化に触れる本物の体験
バリ島が単なるリゾート地と一線を画し、世界中の人々を惹きつけてやまない最大の理由は、島全体に息づく唯一無二の文化と精神性にあります。
これまで紹介してきたリスク管理は、いわばこの素晴らしい文化の神髄に触れるための「入場券」のようなものです。安全と健康を確保した上で、ぜひバリ島の奥深い魅力に触れる体験を計画してみてください。
日常にあふれるバリ・ヒンドゥーの世界観
バリ島では、人々の信仰が生活の隅々にまで溶け込んでいます。街を歩くだけで、その世界観の一端を感じ取ることができるでしょう。
- チャナン・サリ
道端やお店の入り口に毎日供えられる、美しい花々のお供え物です。バリの人々の感謝と祈りの表現であり、島を彩る大切な風景の一部です。誤って踏んでしまわないよう、足元に少し注意を払って歩きましょう。 - 寺院
バリ島には大小さまざまな寺院が点在し、観光地として有名なだけでなく、地域の人々にとって今も篤い信仰の場となっています。 - ガムランと伝統舞踊
神秘的な音色を奏でるガムラン音楽と、神話の物語を表現する華麗な舞踊は、バリ芸術の真骨頂です。ウブドなどで毎晩開催される公演に足を運べば、その幻想的な世界に引き込まれるはずです。
敬意を払うことで深まる旅
バリ島の文化に触れる際は、旅行者として敬意を払う姿勢が大切です。現地の習慣やマナーを少し知っておくだけで、より温かく迎え入れられ、旅がもっと味わい深いものになります。
場面 | 心がけたいマナー |
寺院を訪れる際 | ・キャミソールや短パンなど、肌の露出が多い服装は避ける。<br>・無料で貸し出されているサロン(腰布)を着用する。 |
儀式の行列に遭遇した際 | ・行列を横切ったり、進行を妨げたりしないよう静かに見守る。 |
人々と接する際 | ・左手は「不浄の手」とされるため、物の受け渡しは右手で行う。<br>・人の頭は神聖な場所なので、子供の頭でも撫でないようにする。 |
地元の暮らしに貢献する旅を
本物のバリ文化に触れる一番の方法は、地元の人々の暮らしを支えるような選択をすることです。
例えば、大規模なホテルチェーンのレストランではなく、地元家族が経営する小さな「ワルン(食堂)」で食事をしてみましょう。素朴ながらも心のこもった家庭料理を味わえるだけでなく、支払ったお金が直接その家族の生活を支えることにつながります。
表面的な観光地を巡るだけでなく、バリの人々の生活や信仰に敬意を払い、少しだけ文化に触れさせてもらう。その姿勢こそが、忘れられない「本物の体験」への扉を開く鍵となります。
まとめ:「バリ島行かない方がいい?」は準備次第で変わる

記事のポイント
- 観光客を狙ったスリやひったくりなどの軽犯罪が多発
- 水道水が原因の「バリ腹」や食中毒になるリスク
- デング熱や狂犬病といった日本では稀な感染症の危険
- 旅行計画を台無しにする慢性的な交通渋滞
- 雨季にはビーチが大量のゴミで覆われるという現実
- 2024年から観光税の支払いが全外国人観光客に義務化
- 問題の多くは南部の特定エリアに集中している
- 移動手段は配車アプリ「Grab」の利用が最も安全
- 滞在エリアの選択と周到な準備が旅の満足度を左右する
- リスクを理解し対策すれば唯一無二の文化体験が可能
総括
この記事では、バリ島旅行に潜む犯罪のリスク、多くの旅行者が経験する「バリ腹」、深刻な交通渋滞など、様々なネガティブな側面について詳しく解説してきました。ここまで読んで、「やはりバリ島へ行くのはやめようか」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、重要なのは、この記事で紹介した問題のほとんどが、原因と対策を知ることで十分に回避可能だということです。犯罪や渋滞の多くは南部の特定のエリアに集中しており、少し視野を広げるだけで、驚くほど穏やかで魅力的な「もう一つのバリ」に出会うことができます。
「バリ島行かない方がいい」という言葉は、何も知らずに無防備な状態で訪れることへの警鐘と言えるでしょう。裏を返せば、リスクを正しく理解し、スマートフォンアプリの活用やエリア選び、健康管理といった「賢い準備」をすることで、その懸念は大幅に軽減できるのです。
周到な準備は、あなたを不要なトラブルから守るだけでなく、バリ島が持つ唯一無二の文化や人々の温かさ、息をのむような絶景といった本質的な魅力を、心ゆくまで味わうための最高のチケットとなります。あなたの旅が、一生忘れられない素晴らしい体験になることを心から願っています。