知らないと危険!ベトナムの治安、身を守るための必須対策5選

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知らないと危険!ベトナムの治安、身を守るための必須対策5選

「安全」と「危険」の二つの顔。本当のベトナムの治安、知りたくありませんか?

ベトナム旅行の計画はワクワクするけれど、「治安は大丈夫かな?」という一抹の不安がよぎっていませんか。ネットで調べると「安全だ」という声もあれば、「スリやひったくりが怖い」という体験談もあり、一体どちらを信じれば良いのか分からなくなってしまいますよね。

この記事では、そんなあなたの悩みを解決します。外務省の公式情報から現地のリアルな声までを徹底的に分析し、本当のベトナムの治安状況を明らかにします。

●この記事を読んでほしい人

  • 初めてベトナムへ旅行する予定の方
  • ベトナムの治安情報が多すぎて混乱している方
  • 女性一人旅でも安全に楽しむ方法を知りたい方

●この記事を読むメリット

  • 「安全/危険」のウワサの真相がわかる
  • 都市ごとの具体的な危険エリアがわかる
  • 観光客が狙われやすい犯罪手口がわかる
  • いますぐ実践できる具体的な自己防衛術が身につく
  • 漠然とした不安が消え、自信を持って旅の準備ができる

正しい知識は、最高の”お守り”です。さあ、安全で楽しいベトナム旅行の準備を始めましょう。

ベトナムの治安は良い?悪い?現地のリアルな実態

ベトナムの治安は良い?悪い?現地のリアルな実態

公式情報と現実のギャップ

ベトナムの治安情報を調べると、「安全だ」という意見と「危ない」という意見の両方があり、どちらを信じれば良いか分からなくなってしまうかもしれません。実は、この二つの情報が同時に存在しているのには明確な理由があります。日本の公式発表と、現地で旅行者が感じる現実との間には、少しギャップが存在するのです。このギャップを理解することが、安全な旅への第一歩となります。

国全体で見る大きな安全性

まず、日本の外務省は現在、ベトナム全土に対して「危険情報」を出していません。危険情報とは、主にテロや紛争、政治的な混乱といった、命に関わるような重大なリスクを示すものです。この情報がないということは、ベトナムが国として非常に安定しており、旅行先としての基本的な安全性が確保されている国だと判断できます。

個人レベルで見る身近な危険性

しかし、現地の日本国総領事館からは、旅行者を狙った犯罪への注意が繰り返し呼びかけられています。特に報告が多い犯罪には、以下のようなものがあります。

  • バイクによるひったくり
  • 人混みでのスリや置き引き
  • タクシーでの料金トラブルや詐欺

総領事館が発信する情報は、国全体の安全性というより、旅行者一人ひとりが実際に遭遇する可能性のある、身近な軽犯罪に関するものです。

つまり、「危険情報が出ていないから、夜道を一人で歩いても大丈夫」というわけでは決してありません。国としての安全性と、個人で気をつけるべき防犯意識は、全く別の話だと理解することが大切です。二つの情報の違いを、以下の表にまとめてみました。

比較項目外務省の「危険情報」現地公館の「注意喚起」
見ている視点国全体の大きな視点個人レベルの身近な視点
対象の脅威テロ、紛争、政情不安などスリ、ひったくり、詐欺など
旅行者の心構え旅行先として基本的に安定している個人の防犯対策は必須である

観光客が狙われる社会的な背景

「なぜベトナムでは、スリやひったくりのような話をよく聞くのだろう?」と疑問に思うかもしれません。その答えは、ベトナムが現在進行形で経験している、急激な経済発展の中に隠されています。犯罪は外国人への憎悪からではなく、そのほとんどが経済的な理由によるものなのです。

急成長が生んだ光と影

ベトナムは近年、世界が驚くほどのスピードで経済が成長している国の一つです。街には新しいビルが建ち並び、活気に満ちあふれています。しかし、その輝かしい発展の裏側では、都市と地方の間に経済的な格差が生まれたり、人々の間の貧富の差が大きくなったりといった、社会的な問題も同時に発生しているのです。

なぜ観光客がターゲットになるのか

こうした社会状況の中で、残念ながら一部の人々は、生活のために安易な犯罪に手を染めてしまいます。そして、そのターゲットとして狙われやすいのが、外国人観光客なのです。犯罪者の視点から見ると、観光客は以下のように見えている可能性があります。

  • 最新のスマートフォンやカメラを持っている
  • ブランド品のバッグなど、高価な物を身につけている
  • 現地の地理に不慣れで、注意が散漫になっている
  • 多額の現金を持ち歩いているかもしれない

ここで最も大切なポイントは、犯罪の動機が「外国人が嫌いだから」といった憎悪ではないことです。多くの場合、あくまで経済的な目的のために、成功しやすく、リスクが低いと判断した相手を狙っているにすぎません。

この背景を理解すると、「ベトナムは危険な国だ」という漠然とした恐怖が、「狙われる隙を見せなければ大丈夫」という冷静な心構えに変わるはずです。犯罪のターゲットにならないための具体的な方法は、後の章で詳しく解説していきます。

主要3都市の危険度を比較

ベトナムは南北に長い国であり、訪れる都市によって街の雰囲気や人々の気質が異なるように、治安の傾向にも大きな違いがあります。旅行の計画を立てる上で、どの都市にどのようなリスクがあるのかを知っておくことは非常に重要です。ここでは、主要な3つの都市「ホーチミン」「ハノイ」「ダナン」の危険度を比較してみましょう。

ホーチミン:最も警戒が必要な経済都市

ベトナム最大の経済都市であるホーチミンは、活気とエネルギーに満ちあふれている反面、観光客を狙った軽犯罪の発生率が最も高い都市です。常に多くの人やバイクが行き交っているため、犯罪が起こりやすい環境とも言えます。

  • 主な犯罪タイプ:バイクによるひったくり、スリ、置き引き、悪質なタクシー詐欺
  • 特に注意すべき場所:ベンタイン市場周辺、ブイビエン通りなどの繁華街、観光客が多い1区中心部全般

ハノイ:観光エリアにリスクが集中する首都

政治と文化の中心である首都ハノイは、ホーチミンに比べると少し落ち着いた雰囲気が漂います。しかし、犯罪のリスクが旧市街やホアンキエム湖周辺といった、観光客が集まる特定のエリアに極度に集中しているのが特徴です。

  • 主な犯罪タイプ:人混みでのスリ、シクロやタクシーの料金トラブル、スマートフォン狙いのひったくり
  • 特に注意すべき場所:旧市街、ナイトマーケット、ホアンキエム湖周辺

ダナン:比較的安全なリゾート都市

中部に位置するリゾート都市ダナンは、ホーチミンやハノイと比較して治安が良いことで知られています。行政も観光に力を入れており、街は清潔で開放的な雰囲気です。家族旅行や、東南アジア旅行の初心者にも適した都市と言えるでしょう。

  • 主な犯罪タイプ:市場など混雑した場所でのスリ、ビーチでの置き引き、観光客向けの押し売り
  • 特に注意すべき場所:ハン市場、コン市場、ドラゴンブリッジのショー開催時

これら3都市の治安の傾向を、以下の早見表にまとめました。ご自身の旅のスタイルに合わせて、滞在先を選ぶ際の参考にしてください。

都市名総合的な治安主な犯罪タイプ特に注意すべき場所
ホーチミン要注意ひったくり、スリ、詐欺ベンタイン市場、繁華街
ハノイエリアにより注意スリ、料金トラブル旧市街、ホアンキエム湖
ダナン比較的安全置き引き、スリビーチ、市場

女性の一人旅は本当に危険?

ベトナム旅行を計画中の女性にとって、「一人でも安全に旅ができるのか」という点は、最も気になることの一つではないでしょうか。結論からお伝えすると、ベトナムは適切な準備と心構えがあれば、女性一人でも十分に楽しむことができる国です。ただし、特有の注意点がいくつか存在します。

基本的な安全性は高い

ベトナムでは、女性をターゲットにした凶悪犯罪の発生は極めて稀です。多くのベトナム人は親切で、困っていると助けてくれることも少なくありません。日中の観光地や大通りを歩いている際に、身の危険を感じることはほとんどないでしょう。しかし、スリやひったくりといった軽犯罪は性別を問わず発生するため、基本的な防犯意識は常に必要です。

女性旅行者が特に注意したいこと

安心して旅を楽しむために、以下のポイントを意識して行動することをおすすめします。

  • 宿泊施設の選び方
    安全を最優先するなら、予約サイトの口コミ評価が高い、3つ星以上のホテルを選ぶのが賢明です。特に、24時間対応のフロントがある、大通りに面している、といった条件は安心材料になります。格安のゲストハウスを利用する場合は、女性専用ドミトリーを選ぶと良いでしょう。
  • 夜間の単独行動は避ける
    昼間は安全な場所でも、夜になると雰囲気が一変することがあります。特に、明かりの少ない裏路地や、ブイビエン通りのような賑やかすぎる繁華街を一人で歩くのは避けるべきです。夕食後ホテルに戻る際や、少し距離を移動する際は、必ずGrabやXanh SMといった配車アプリを利用し、安全な移動を徹底してください。
  • 服装は控えめにする
    過度に肌を露出した服装や、高価な宝飾品、ブランド品で固めた服装は、不要な注目を集め、トラブルの原因になりかねません。現地の女性はバイクに乗ることが多いため、パンツスタイルが主流です。周囲に溶け込むような、シンプルで動きやすい服装を心がけましょう。
  • しつこい誘いは毅然と断る
    観光地やナイトスポットでは、現地の男性から声をかけられることもあるかもしれません。興味がなければ、曖昧な態度はとらず、はっきりと断る勇気が大切です。

凶悪犯罪は少ないのが真実

ベトナムの治安について調べていると、スリやひったくりといった軽犯罪の情報が多く、不安に感じてしまうかもしれません。しかし、ここで明確にしておきたい大切な事実があります。それは、ベトナムでは旅行者が命の危険を感じるような、凶悪犯罪に巻き込まれる可能性は極めて低いということです。

殺人や強盗は非常に稀

日本のニュースで報じられるような、見知らぬ人を狙った無差別な殺人や、銃器を使った強盗といった事件は、ベトナムではほとんど発生しません。社会主義国であるベトナムは銃の所持が厳しく規制されており、国民の間に暴力的な文化が根付いていないことも、その理由の一つと考えられています。旅行者が日中に観光地を巡っている際に、身体的な危害を加えられる心配は、まずないと言って良いでしょう。

軽犯罪と凶悪犯罪は分けて考える

ベトナムの治安を正しく理解するためには、「旅行者が遭遇しやすい犯罪」と「生命に関わる犯罪」をはっきりと分けて考えることが重要です。

犯罪の種類発生頻度具体例
軽犯罪高いスリ、置き引き、ひったくり、ぼったくり詐欺
凶悪犯罪極めて低い殺人、強盗、誘拐、テロ

このように、注意すべきはあくまで金品を狙った軽犯罪です。もちろん、ひったくりに遭って転倒し怪我をするといったリスクは存在しますが、計画的に旅行者の命を狙うような犯罪は稀であると知っておくだけでも、漠然とした恐怖は和らぐはずです。

ベトナムは、正しい知識を持って行動すれば、安全に旅ができる国です。過度に怖がる必要はありませんが、「自分の持ち物は自分で守る」という基本的な防犯意識を常に持っておくことが、楽しい旅行の鍵となります。

ベトナムの治安を守る5つの自己防衛術

ベトナムの治安を守る5つの自己防衛術

最大の脅威「バイクひったくり」の手口

ベトナムの街を象徴する無数のバイクは、残念ながら観光客にとって最大の脅威にもなり得ます。最も被害報告が多い「バイクによるひったくり」の手口と、身を守るための具体的な対策を知っておきましょう。

犯行は一瞬で終わる

ひったくりの典型的な手口は、二人乗りのバイクが音もなく歩行者の背後から近づき、追い越しざまにバッグやスマートフォンを奪って猛スピードで走り去る、というものです。犯行は文字通り一瞬で、何が起こったか理解する間もありません。特に、以下のような状況は非常に狙われやすいため注意が必要です。

  • スマートフォンで地図を見ながら歩いている時
  • 写真を撮るために路上で立ち止まっている時
  • 配車アプリの車を待っている時

危険なのは金品だけでない

ひったくりで最も恐ろしいのは、所持品を失うことだけではありません。むしろ、それに伴う身体的な被害こそが最大の危険です。バッグのストラップを肩にかけたまま奪われ、バイクに引きずられて転倒し、骨折や打撲といった大怪我を負うケースが実際に報告されています。

ここから導き出される、最も重要で直感に反するかもしれない自己防衛策は、「万が一ひったくりに遭ったら、抵抗せずにすぐに手を離すこと」です。数万円のスマートフォンやバッグを守るために、一生残るような怪我を負うリスクを冒すべきではありません。

具体的な予防策

ひったくりのターゲットにならないためには、犯罪者に「狙いにくい」と思わせることが何よりも効果的です。

  • 歩く位置を意識する
    歩道を歩く際は、必ず車道から離れた建物側を歩くようにしましょう。
  • バッグの持ち方
    ショルダーバッグやハンドバッグは、車道とは反対側の腕で持ち、身体の前でしっかりと抱えるように持つのが基本です。リュックサックを背負っている場合でも、人混みでは前に抱えるようにするとより安全です。
  • スマートフォンの使い方
    路上でスマートフォンを操作する必要がある場合は、すぐに動き出せる状態ではなく、建物や壁を背にして立ち止まり、周囲を警戒しながら短時間で済ませるように心がけてください。

気づかぬうちに…スリ・置き引き対策

市場やショッピングモールといった、たくさんの人々で賑わう場所では、スリや置き引きに特に注意が必要です。犯人は巧みな手口で注意をそらし、貴重品を盗み出します。

スリが多発する場所と手口

犯人は、旅行者が何かに夢中になり、注意が散漫になった一瞬を狙っています。以下のような場所では、特に警戒心を強めましょう。

  • 多発する場所
    • ベンタイン市場やハン市場のような混雑した市場
    • ショッピングモールのセール会場
    • 満員の路線バスや電車内
    • 観光地のチケット売り場や入口付近
  • 巧みな手口
    • 集団での犯行:一人が親しげに話しかけたり、わざとぶつかったりして注意を引き、その隙に別の仲間がバッグから財布を抜き取ります。
    • 子どもを利用する:物売りの子どもたちが大勢で取り囲み、旅行者が混乱している間に貴重品を盗む手口も報告されています。
    • 切り裂き:ナイフなどの刃物でバッグやズボンのポケットを切り裂き、中身を奪う悪質なケースもあります。

貴重品を守るための基本対策

スリや置き引きの被害を防ぐ最も効果的な方法は、「貴重品は簡単には取れない」と犯人に思わせることです。

バッグの選び方と持ち方

バッグは、ファスナーや留め具で完全に口が閉まるタイプを選びましょう。リュックサックは人混みでは前に抱えるように持ち、ショルダーバッグはたすき掛けにして、必ず身体の前方で抱えるように持つことが大切です。ズボンの後ろポケットに財布やスマートフォンを入れるのは、絶対に避けてください。

貴重品の分散管理

万が一の被害を最小限に抑えるため、持ち歩く現金は必要最低限にし、複数の場所に分けて保管することをおすすめします。例えば、少額の現金はすぐに取り出せる財布に入れ、残りの現金やクレジットカードは、バッグの奥底やセキュリティポーチに入れておくといった工夫が有効です。パスポートの原本は、ホテルのセーフティボックスに預け、コピーやスマートフォンの写真データを携帯するようにしましょう。

悪質タクシーとぼったくりの回避法

ベトナム旅行で多くの人が経験する可能性のあるトラブルが、タクシーやシクロ(人力車)での料金をめぐる問題です。移動手段での不快な思いは、せっかくの旅行気分を台無しにしてしまいます。しかし、正しい知識さえあれば、これらのトラブルはほぼ100%回避できます。

巧妙化するタクシーの手口

ベトナムの悪質なタクシーは、手口が巧妙化しており、一見しただけでは見分けるのが難しい場合があります。

  • 偽タクシー(白タク)
    信頼できる大手タクシー会社のロゴやカラーリングを巧妙に真似た偽のタクシーが存在します。正規の車両ではないため、料金メーターが不正に改造されていたり、法外な料金を請求されたりする危険性が高いです。
  • 不正メーターと交渉
    乗車すると、異常な速さで料金が上がっていく改造メーターを搭載しているタクシーがあります。また、最初からメーターを使わずに交渉を持ちかけ、相場を大幅に超える金額を要求してくる運転手も少なくありません。
  • 支払い時の抜き取り
    特に悪質なのが、支払いの際に「ベトナムドンは分かりにくいだろうから手伝う」などと親切を装い、旅行者の財布から高額紙幣だけを抜き取る手口です。いかなる理由があろうと、運転手に自分の財布を触らせてはいけません。

最も確実で安全な解決策:配車アプリの活用

これらのタクシートラブルを回避するための、最も簡単で確実な方法は「配-車アプリ」を利用することです。ベトナムでは「Grab」が最も普及しており、最近では環境に優しい電気自動車が特徴の「Xanh SM」も評価を高めています。

配車アプリの利用を強くおすすめする理由は、以下の通りです。

メリット具体的な内容
料金の透明性乗車する前に料金が確定するため、後から追加料金を請求される心配がありません。
ルートの記録アプリの地図上に走行ルートが記録されるため、不必要な遠回りを防ぐことができます。
運転手の評価運転手の身元が登録されており、乗客による評価システムがあるため、サービスの質が保たれています。
支払いの簡便さアプリにクレジットカードを登録しておけば、現金のやり取りが不要になり、支払い時のトラブルを防げます。

それでもタクシーを拾う場合の注意点

空港に到着した直後など、どうしても流しのタクシーを利用する必要がある場合は、信頼できる以下の大手タクシー会社を選びましょう。

  • Vinasun(ビナサン):白地に緑と赤のライン
  • Mai Linh(マイリン):緑一色の車体

これらの正規タクシーは、車体に会社名と車体番号がはっきりと記載されており、車内には運転手の顔写真付き身分証が掲示されています。乗車したら、必ずメーターが作動しているかを確認してください。

「親切な人」に注意!巧妙な詐欺

ベトナム旅行の醍醐味の一つは、現地の人々との温かい交流です。しかし、その旅行者の「人の良さ」や「親切心」につけ込む、巧妙な詐欺が存在することも事実です。フレンドリーな笑顔の裏に隠された、代表的な詐欺の手口を知っておきましょう。

最も悪質:いかさま賭博詐欺

これは古典的ですが、被害額が大きくなる非常に悪質な詐欺です。手口は非常に手が込んでいます。

  1. シンガポール人やマレーシア人を名乗る人物が、流暢な英語や片言の日本語で気さくに話しかけてきます。
  2. 「日本に住む家族のために日本のことを教えてほしい」など、もっともらしい理由をつけて旅行者を自宅やホテルの部屋に招き入れます。
  3. 部屋では別の仲間が待っており、「一緒に金持ちの客をカモにしよう」などと、必勝法があると偽ってブラックジャックなどの賭博に誘い込みます。
  4. 最初は旅行者を勝たせて信用させますが、最終的には様々な言い訳をつけて多額の現金をだまし取ります。

「知らない人には、絶対についていかない」という旅の鉄則を、改めて心に刻んでください。特に、私的な空間へ誘われた場合は、どんなに魅力的な誘いでも、はっきりと断る勇気が必要です。

その他の身近な詐欺

より気軽に声をかけてくるタイプの詐欺にも注意が必要です。

  • お金見せて詐欺
    「日本の円に興味があるから見せてほしい」などと話しかけてきて、旅行者が財布からお札を出すと、その一部を抜き取ったり、偽札とすり替えたりする手口です。
  • 高額商品購入詐欺
    親切に観光案内をするふりをして、旅行者を特定のお茶屋や土産物屋に連れて行きます。そして、店員と結託して、相場をはるかに超える法外な値段で質の悪い商品を買わせようとします。

これらの詐-欺に共通するのは、旅行者の好奇心や人の良さを利用する点です。街中で不自然に日本語で話しかけてきたり、過剰な親切心を見せてきたりする人物には、少し警戒心を持つようにしましょう。もちろん、すべての親切が詐欺につながるわけではありませんが、「うますぎる話には裏があるかもしれない」と考えておくことが、トラブルを未然に防ぎます。

狙われない旅行者になる服装と持ち物

これまでの章で様々な犯罪の手口を紹介してきましたが、最も効果的な自己防衛術は、そもそも犯罪者に「狙う価値がない」「狙うのが難しそうだ」と思わせることです。服装と持ち物を少し工夫するだけで、犯罪のターゲットになる確率を大幅に下げることができます。

服装の基本は「目立たないこと」

ベトナムの街中を歩く際、自分がお金持ちであることをアピールする必要は全くありません。むしろ、悪目立ちすることは、自ら危険を呼び込んでいるのと同じです。

  • 高価な装飾品は外す
    高級腕時計やきらびやかな宝石、ブランド品と一目でわかるバッグは、犯罪者に対して「私はここにいます」と知らせるサインになってしまいます。旅行中は、高価なアクセサリー類はホテルの金庫にしまっておきましょう。
  • 現地に溶け込む服装を
    派手な色やデザインの服よりも、シンプルで動きやすい服装がおすすめです。現地の人はバイクに乗る文化からパンツスタイルが多いため、スカート姿は観光客だと一目で分からせる要因にもなり得ます。寺院などを訪れる際は、肌の露出を控えた服装がマナーとしても求められます。

持ち物を守るための工夫

持ち物に関しても、「狙われにくい」工夫を凝らすことが大切です。

バッグの選び方と持ち方

ひったくりやスリから身を守るためには、バッグの選び方が非常に重要です。

おすすめのバッグ避けるべきバッグ
ファスナーで完全に閉まるもの口が開いたままのトートバッグ
体に密着させられるボディバッグ肩にかけるだけのハンドバッグ
前に抱えて持てるリュックサックズボンの後ろポケット

ショルダーバッグは必ずたすき掛けにし、常に体の前方にバッグが来るように意識してください。

現金や貴重品の管理方法

すべての貴重品を一つの財布に入れて持ち歩くのは、非常に危険です。万が一の事態に備えて、リスクを分散させましょう。

  • 持ち歩く現金は最小限に
    その日に使う分だけの現金を財布に入れ、残りの現金や予備のクレジットカードは、バッグの奥底やホテルのセーフティボックスなど、別の場所に保管します。
  • パスポートはコピーを携帯
    パスポートの原本は、紛失や盗難のリスクを避けるため、ホテルのセーフティボックスで厳重に保管するのが基本です。外出時は、パスポートの顔写真ページのコピーや、スマートフォンで撮った写真を携帯すれば、身分証明として十分機能します。

まとめ:ベトナムの治安を理解し最高の旅へ

まとめ:ベトナムの治安を理解し最高の旅へ

記事のポイント

  • ベトナムは国として安全だが、旅行者を狙う軽犯罪は多い
  • 経済発展による貧富の差が、軽犯罪の社会的な背景である
  • 旅行者が命を脅かされるような凶悪犯罪は極めて少ない
  • 主要3都市ではホーチミンが最も警戒を要する都市だ
  • リゾート地のダナンは比較的治安が良いことで知られている
  • 観光客が遭遇する最大の脅威はバイクによるひったくりである
  • 市場など人が密集する場所ではスリや置き引きが多発する
  • タクシー詐欺は配車アプリの利用でほぼ回避できる
  • 適切な対策をすれば女性の一人旅も十分に可能だ
  • 犯罪者に狙われないためには目立たない服装が重要である

総括

ベトナムの治安について、そのリアルな実態から具体的な自己防衛術まで詳しく解説してきました。この記事を読む前は、「危ないのだろうか」と漠然とした不安を感じていたかもしれません。しかし、ベトナムの治安の現実は、「危険か安全か」という単純な二元論で語れるものではないことを、ご理解いただけたのではないでしょうか。

重要なポイントは、命に関わるような凶悪犯罪のリスクは極めて低い一方で、観光客を狙ったスリやひったくりといった軽犯罪は確かに存在する、という事実です。そして、これらの軽犯罪は、正しい知識を持つことでそのほとんどを防ぐことができます。

犯罪の手口を知り、危険な場所を避け、狙われにくい服装や持ち物を意識する。この記事で紹介した対策は、決して難しいものではありません。これらの知識は、あなたの旅を安全に、そして何倍も心強くしてくれる「お守り」になるはずです。

過度に恐れる必要はありません。万全の準備を整え、自信を持って、活気と魅力にあふれるベトナムの文化や人々との交流を心から楽しんできてください。最高の旅になることを願っています。

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