
引き出しに眠るお宝を探せ!あなたの知らない「香港 硬貨 レア」の世界
「昔の香港旅行で余ったコインが、まだ家のどこかにあるはず…」
「このエリザベス女王が描かれた古い硬貨、もしかして価値があるのでは?」
ふとした瞬間に、そんなことを考えたことはありませんか?
多くの人が一度は手にしたことがある香港の硬貨。しかし、その中には驚くような価値を持つお宝が紛れていることを知る人は多くありません。
実は、香港の硬貨でレアとされるものには、発行された年やデザインにいくつかの分かりやすい特徴があるのです。専門的な知識がなくても、少しのコツさえ知っていれば、誰でもその価値の一端に触れることができます。
この記事では、あなたのそんな知的好奇心を満たすための、具体的でわかりやすい情報だけを厳選しました。
●この記事を読んでほしい人
- 香港旅行の思い出の硬貨の価値が気になっている人
- 古い貯金箱を整理していて、見慣れない外国の硬貨を見つけた人
- コイン収集に興味があり、手軽に始められるテーマを探している人
●この記事を読むメリット
- 価値の高いエリザベス女王硬貨の2つの肖像を簡単に見分けられるようになる
- 一般の人が見つけられる最も有名なレア硬貨「1980年10セント」がわかる
- 時には100万円を超える、伝説級コインの存在とその歴史を知れる
- 見つけた硬貨のおおよその価値を自分で調べる具体的な方法が身につく
- 硬貨の価値を絶対に下げないための、正しい知識と保管方法を学べる
さあ、あなたもこの記事をガイドに、歴史のロマンあふれる宝探しへと出発しましょう。
香港のレア硬貨を発掘!価値が決まる理由とは

エリザベス女王の2つの肖像を見分ける
香港で流通していた硬貨の中で、最も目にする機会が多いのはエリザベ-ス2世の肖像が描かれたものではないでしょうか。しかし、エリザベス女王の肖像に、実は2種類の異なるデザインが存在することをご存知でしたか。
肖像の違いは、単なるデザインの変更に留まりません。硬貨の製造時期を特定する、重要な手がかりとなるのです。お手元の硬貨の価値を見極める、最初のステップとして確認してみましょう。
旧デザイン「ティアラの肖像」
比較的古い年代の硬貨に見られるのが、アーノルド・マチン氏によってデザインされた肖像です。女王が「グレートブリテン及びアイルランドの少女のティアラ」と呼ばれる、優雅なティアラを着用している点が特徴になります。若々しく、柔和な印象を受けるデザインです。
新デザイン「王冠の肖像」
一方、香港が中国に返還される直前の、より新しい年代の硬貨にはラファエル・マクルーフ氏がデザインした肖像が採用されました。ティアラではなく、より大きく威厳のある「ジョージ4世のステート・ダイアデム」という公式の王冠を戴いています。
このように、女王の肖像に描かれた頭の装飾品に注目するだけで、お手元の硬貨がどの時代に作られたものなのかを大まかに推測できます。この知識が、香港硬貨の価値を見極める旅の、確かな一歩となるでしょう。
1997年返還が価値を生んだ女王頭コイン
香港硬貨の価値を語る上で、1997年に起きた中国への主権移譲は外すことのできない歴史的な出来事です。この大きな転換点が、エリザベス女王の肖像が描かれた硬貨、通称「女王頭(クイーンズヘッド)コイン」の希少価値を高める決定的な要因となりました。
新しいシンボル「バウヒニアの花」へ
1993年以降に発行された硬貨から、デザインが一新されたことをご存知でしょうか。英国君主の肖像に代わって採用されたのは、香港の新しいシンボルである「バウヒニア(洋紫荊)」の美しい花の絵柄です。
この変更によって、女王頭コインは新たな製造が完全に終わり、過去の時代のものとして明確に区別されることになりました。
市場から姿を消しつつある女王頭コイン
さらに重要な点は、香港の金融管理当局が、古い女王頭コインを公式に回収し、溶解処理を進めているという事実です。政府の方針によって、市中に出回る女王Tシャツの数は年々着実に減り続けています。
つまり、今あなたの手元にある女王頭コインは、たとえごく普通の年号に見える一枚であっても、それ自体が消えゆく運命にある「歴史の証人」なのです。将来的な価値の上昇を秘めた存在として、大切に保管しておく価値は十分にあると言えるでしょう。
伝説級!100万円超えのヴィクトリア銀貨
香港硬貨の世界には、コレクターが「聖杯(ホーリーグレイル)」と呼ぶにふさわしい、まさに伝説級の一枚が存在します。ヴィクトリア女王の肖像が描かれた、1866年から1868年というごく短期間にのみ発行された1ドル銀貨です。
状態の良い銀貨は、数十万円から、時には100万円を超える価格で取引されることも珍しくありません。
悲劇の歴史が価値を生んだ銀貨
この銀貨の価値の源泉は、皮肉なことに「プロジェクトの失敗」という歴史にあります。
当時、アジアの貿易ではメキシコドルが広く使われていました。英国はメキシコドルに対抗するため、香港に造幣局を設立し、独自の貿易銀貨としてこの1ドル銀貨を製造したのです。しかし、すでに人々の間で絶大な信頼を得ていたメキシコドルに取って代わることはできず、製造はわずか2年余りで中止。香港造幣局も閉鎖に追い込まれるという結末を迎えました。
現在の驚くべき市場価値
この「失敗した銀貨」というドラマチックな背景が、結果として発行枚数の少なさにつながり、圧倒的な希少価値を生み出しました。
現在では高値で取引されるコレクターズアイテムとなっています。さらに、贈呈用などに特別に作られた鏡面仕上げの「プルーフ貨」と呼ばれる銀貨は、現存数が極めて少なく、市場に出れば700万円以上の価値がつく可能性さえ秘めているのです。
この1ドル銀貨は単なる古いお金ではなく、香港の貨幣史が秘めた物語そのものを体現する、特別な宝物と言えるでしょう。
資産価値も?十二支と返還記念の金貨
アンティークコインだけでなく、近代に発行された硬貨の中にも高い価値を持つものが存在します。特に金や銀で作られた記念硬貨は、コレクターズアイテムとしての価値に加えて、貴金属そのものが持つ「資産」としての価値も期待できるのが魅力です。
香港で発行された記念金貨の中から、特に人気の高い2つのシリーズを紹介します。
干支が可愛い「十二支1000ドル金貨」
1975年から1987年にかけて発行された、毎年デザインが変わる人気のシリーズです。表面にはエリザベス女王、そして裏面にはその年の干支が愛らしく描かれています。
この金貨は品位K22、つまり22金という純度の高い金で作られています。そのため、収集する楽しみに加え、金そのものの価値も非常に高いのです。現在の金相場やデザインの人気によって価格は変動しますが、20万円以上の価値がつくこともあります。
歴史的瞬間を刻む「返還記念1000ドル金貨」
1997年の香港返還という、歴史的な出来事を記念して発行された非常に象徴的な金貨です。香港の街並みと、新しいシンボルであるバウヒニアの花がデザインされています。
こちらも同じくK22の金で作られており、その歴史的な重要性からコレクターに大変人気があります。香港の歴史を物語る一枚として、また安定した価値を持つ資産として、長く保有するのにふさわしい金貨と言えるでしょう。
波形やバイメタルなどユニークな形状の硬貨
硬貨の魅力は、刻まれた年号や肖像だけではありません。思わず手で触れてみたくなるような、ユニークな「形」もコレクションの楽しみを深めてくれます。
香港の硬貨の中には、世界的に見ても珍しい、特徴的な形状を持つものが存在します。
一目で分かる波形のフチ「スカラップ硬貨」
香港の20セント硬貨や2ドル硬貨を手に取ると、フチが丸ではなく、花びらのように波打っていることに気づくでしょう。このギザギザした形状は「スカラップエッジ」と呼ばれ、香港硬貨を象徴するデザインの一つです。
指で触れるだけで香港の硬貨だと分かる、この独特の感触は、他の多くの国の硬貨にはない面白さを持っています。
短命に終わった「バイメタル10ドル硬貨」
1993年に偽造防止対策として導入された10ドル硬貨は、2種類の金属を組み合わせた「バイメタル貨」です。外側が白銅、内側が黄銅という美しいデザインをしています。日本の500円硬貨と似た構造を思い浮かべると分かりやすいかもしれません。
しかし、この10ドル硬貨は偽造品が発見されたことなどから、残念ながら数年で製造が中止されてしまいました。その後は再び10ドル紙幣の発行に切り替えられたため、バイメタル硬貨は短命に終わったシリーズとなります。その発行期間の短さから、収集対象として興味深い存在です。
これらの硬貨は、見たり触ったりするだけでも楽しめる、コレクションの素敵なアクセントになってくれるでしょう。
手元の1枚が?香港のレア硬貨を見つけるコツ

最重要!1980年10セントは特年コイン
もし、あなたが持っている香港硬貨の中から「たった1枚だけレアコインを探す」としたら、真っ先に確認すべき一枚があります。ずばり、1980年に発行された10セント硬貨です。
この硬貨は、一般の人が見つけられる可能性のある香港レア硬貨として、最も有名で象徴的な存在と言えるでしょう。
「特年」とは?発行枚数が価値を決める
日本の硬貨収集の世界には「特年(とくねん)」という言葉があります。普段使っている硬貨でありながら、ある特定の年だけ発行枚数が極端に少ないため、額面をはるかに超える価値を持つ硬貨のことです。
有名な例では、昭和62年の500円玉が挙げられます。この原則は香港の硬貨にも当てはまり、1980年の10セント硬貨はまさにその代表格なのです。
1980年10セント硬貨の価値
では、実際にどれくらいの価値があるのでしょうか。オンラインのオークションサイトを見てみると、この1980年10セント硬貨は「特年」として数多く取引されているのが分かります。
1枚で数百円から、状態の良いものでは1,000円を超える価格がつくことも珍しくありません。なぜこれほど価値がついているのかというと、記録上は十分な数が製造されたにもかかわらず、そのほとんどがすぐには市場に流通しなかった、という特殊な歴史があるからです。
発行当初の希少性が「1980年はレア」という評価を不動のものにしました。香港旅行のお釣りや、古い貯金箱の中に眠っている可能性も十分にあります。ぜひ一度、探してみてはいかがでしょうか。
価値はいくら?オークション落札相場で調べる
レアかもしれない硬貨を見つけたら、次に気になるのは「一体いくらの価値があるのだろう?」という点ではないでしょうか。専門店のカタログや古い資料を見るのも一つの手ですが、最も手軽で現実的な価値を知る方法があります。
オンラインのオークションサイトやフリマアプリで、実際に取引された価格を調べる方法です。
見るべきは「出品価格」ではなく「落札価格」
ここで最も重要なポイントは、現在「出品されている価格」ではなく、過去に「落札された価格」や「売り切れた価格」を参考にすることです。
出品者がつけている価格は、あくまで希望の金額に過ぎません。しかし、実際に買い手がついた落札価格は、その硬貨の「現在のリアルな市場価値」を反映しています。多くの人が、その金額を支払ってでも欲しいと思った証拠だからです。
具体的な調べ方の手順
調べ方はとても簡単です。「ヤフオク!」や「メルカリ」などのサイトやアプリを開き、検索窓に「香港 10セント 1980年」や「香港 エリザベス 2ドル」のように、調べたい硬貨の情報を入力します。
そして、検索結果を「落札相場」や「売り切れ」で絞り込んでみてください。すると、同じ種類の硬貨が、いつ、いくらで取引されたのかが一覧で表示されます。硬貨の状態によって価格は変わりますが、複数の取引事例を見ることで、お手元の硬貨のおおよその価値を把握できるでしょう。
このひと手間が、あなたの見つけた宝物の価値を正確に知るための、信頼できる第一歩となります。
究極の一点物!エラーコインというお宝
コレクションの世界には、「特年」とはまた違った価値を持つ、究極の宝物が存在します。製造過程のミスによって偶然生まれてしまった「エラーコイン」です。
本来であれば不良品として扱われるはずの硬貨が、その間違いによって世界に一つしかない「一点物」となり、時に驚くほどの価値を持つことがあります。
刻印のズレ「傾打・刻印ズレエラー」
エラーコインの中でも比較的見つけやすいのが、デザインの刻印がズレてしまったものです。
硬貨の表と裏のデザインの角度が、本来あるべき位置から回転してしまっている「傾打エラー」。また、硬貨の元となる金属の円盤の中心から、デザイン全体がズレて刻印された「刻印ズレエラー」などがあります。ズレの角度や幅が大きいほど、希少価値は高くなる傾向にあります。
形状の異常「クリップ・縁のエラー」
硬貨そのものの形に異常があるエラーも存在します。円盤の一部が欠けたような形になっている「クリップエラー」や、本来あるはずの側面のギザギザがないエラーなどです。
お手元の硬貨を複数枚並べてみた時に、一枚だけ形や側面の様子が明らかに違うものがあれば、エラーコインの可能性を疑ってみる価値はあります。
これらのエラーコインは、まさに偶然の産物です。発見できる確率は決して高くはありませんが、もし見つけることができれば、それは一生の宝物になるかもしれません。硬貨を眺めるときは、ほんの少しだけ注意深く観察してみてはいかがでしょうか。
価値を下げない!コインを絶対に磨かない理由
価値がありそうな古い硬貨を見つけると、ついつい綺麗に磨いてみたくなりますよね。黒ずんでいる硬貨を、ピカピカにできればもっと価値が上がるように思えるかもしれません。
しかし、お待ちください。その行為こそが、硬貨の価値を決定的に下げてしまう、絶対にしてはいけないことなのです。
磨き傷は価値をゼロにする可能性も
硬貨を布や薬品で磨くと、人の目には見えない無数の細かい傷、いわゆる「磨き傷」が表面についてしまいます。硬貨のコレクターや鑑定士は、この不自然な輝きと傷をすぐに見抜きます。
一度ついてしまった磨き傷は二度と元には戻りません。専門家の間では、磨かれた硬貨は「洗浄済み」として扱われ、本来の価値が大幅に、時にはゼロになるほど下落してしまいます。
「パティナ」と呼ばれる自然な風合いが価値
古い硬貨の表面に見られる黒ずみや、渋い色合いは、単なる「汚れ」ではありません。長い年月をかけて、空気中の成分と金属が反応して自然に形成された「パティナ」と呼ばれる風合いです。
このパティナこそが、硬貨が偽物ではなく、本物として長い時代を経てきたことの何よりの証拠となります。経験豊富なコレクターは、この自然な古色の美しさを高く評価します。パティナを剥がし取ることは、硬貨の歴史そのものを削り取ってしまう行為なのです。
見つけた硬貨は、そのままの状態で保管するのが価値を守る最善の方法です。もし触れる際は、指紋がつかないように縁を持つように心がけましょう。
本物の価値を知るならプロの買取業者へ相談
オンラインオークションで相場を調べる方法は、硬貨のおおよその価値を知るのに非常に役立ちます。しかし、もしヴィクトリア女王の銀貨のような高額なアンティークコインや、明らかに珍しいエラーコインを見つけた場合は、専門家による鑑定を受けることを強くお勧めします。
硬貨の状態を正確に格付けしたり、精巧な偽物を見抜いたりするのは、やはりプロの目でなければ難しいからです。硬貨の本当の価値を確定させるための、最終ステップと言えるでしょう。
古銭専門の買取業者に依頼する
初心者の方でも安心して相談できるのが、古銭の買取を専門に行っている業者です。「バイセル」や「福ちゃん」といった全国展開している大手買取サービスは、古銭の買取実績が豊富で、無料で査定を行ってくれる場合がほとんどです。
出張査定や宅配査定といった便利なサービスも充実しているため、気軽に相談しやすいのが大きなメリットです。
歴史ある老舗コインショップに相談する
もし、ご自身の見つけた硬貨が「これは本当に特別な一枚かもしれない」と感じる場合は、歴史のある老舗のコインショップに相談するのも良い方法です。
テレビの鑑定番組にも登場するような専門家が在籍する「銀座コイン」などの専門店では、より深く、正確な知識に基づいた鑑定が期待できます。買取だけでなく、コレクションとしてのアドバイスをもらえる可能性もあります。
専門家に相談することで、あなたの見つけた宝物の真の価値が明らかになります。安心して、次の一歩を踏み出せるはずです。
まとめ:香港のレア硬貨探しは魅力的な冒険

記事のポイント
- エリザベス女王の肖像は「ティアラ」と「王冠」の2種類で見分ける
- 1997年の中国返還で女王が描かれた硬貨は製造中止となり希少化
- 一般流通品で最も有名なレア貨は1980年発行の10セント硬貨である
- ヴィクトリア女王の1ドル銀貨は100万円超えも狙える伝説級の一枚
- 十二支や返還記念の金貨は貴金属としての資産価値も併せ持つ
- 波形の縁を持つスカラップ硬貨などユニークな形状も収集の対象
- 製造ミスの「エラーコイン」は世界に一つの究極のお宝となりうる
- 硬貨の価値は出品価格ではなくオークションの「落札価格」で確認
- 自然な古色(パティナ)は価値の一部であり、絶対に硬貨を磨かない
- 本物の価値を知るには古銭専門の買取業者への相談が確実である
総括
香港の硬貨の世界、その奥深さを感じていただけたでしょうか。エリザベス女王の2つの肖像の違いから、中国返還という歴史が生んだ価値、そして1980年の10セント硬貨のような、誰もが探せる「特年」の存在まで。この記事では、香港の硬貨でレアとされるものの見つけ方のヒントや、その価値の背景にある物語をご紹介しました。
もしかしたら、あなたの引き出しの奥に眠っている一枚が、予想もしない価値を持つお宝かもしれません。まずは気軽に、お手元の硬貨の年号やデザインを確認してみてください。たった一枚の硬貨から、香港の激動の歴史や文化を垣間見ることができるのは、コイン収集ならではの醍醐味と言えるでしょう。
硬貨を磨かずに大切に保管することや、本当の価値を知るために専門家の力を借りること。これらのコツさえ押さえれば、香港のレアな硬貨を見つける旅は、よりエキサイティングなものになるはずです。
香港の貨幣の魅力は、今回ご紹介した硬貨だけにとどまりません。他の年代のコインや、美しいデザインの紙幣にも、まだまだ知られざる物語が隠されています。これからも、あなたの知的好奇心をくすぐるような情報をお届けしていきますので、ぜひご期待ください。この記事が、あなたにとって素晴らしい冒険の始まりとなることを願っています。