
【警告】中国旅行はやめとけ…2025年最新、その危険な理由とは?
壮大な歴史遺産に、美味しい中華料理…。魅力あふれる中国への旅行を計画しているのに、「中国旅行 やめとけ」という不穏な言葉を目にして、急に不安になっていませんか?
「少し注意すれば大丈夫だろう」「観光客がそんな危険な目に遭うはずがない」
もし、あなたがそのように考えているとしたら、どうか少しだけ待ってください。2025年6月現在、中国旅行に潜むリアルな危険性は、私たちがかつてイメージしていたものとは全く異次元のレベルに達しています。
この記事は、単に不安を煽るものではありません。あなたの安全を守るために、どうしても知っておいてほしい「不都合な真実」を、具体的な根拠とともにお伝えするものです。
●この記事を読んでほしい人
- これから中国旅行を計画しているが、安全面に漠然とした不安を感じている人
- 友人や家族から「中国は危ないからやめとけ」と言われ、具体的な理由を知りたい人
- ビジネスでの渡航を控えており、最新の現地の法的リスクや注意点を把握したい人
●この記事を読むメリット
- なぜ写真撮影だけで「スパイ」と疑われるのか、その恐ろしい理由が分かります。
- 現金もカードも使えない「デジタル決済の壁」と、その不完全な対処法が分かります。
- GoogleもLINEも使えないネット遮断(グレート・ファイアウォール)の実態が分かります。
- 実際に日本人が拘束されたり、襲撃されたりした衝撃的な事件の実例が分かります。
- 最終的に「今の中国へ本当に行くべきか」を、あなた自身で冷静に判断できるようになります。
スリやぼったくりといったレベルの話ではありません。あなたの自由、時間、そして人生そのものを左右しかねない、重大なリスクです。
どうかこの記事を読み飛ばさず、最後まで真剣にお付き合いください。
中国旅行は「やめとけ」と言われる5つの理由

① 誰もがスパイ容疑者?改正「反スパイ法」の脅威
長年アジアの国々を旅してきた私が、今の中国渡航に最も警鐘を鳴らす理由。それがこの「反スパイ法」です。2023年に改正されたこの法律は、私たち外国人旅行者にとって、見えない最大の脅威と言っても過言ではありません。普通の旅行が、ある日突然「犯罪」に変わりうる現実を、まずは知ってください。
曖昧すぎる「スパイ行為」の定義
問題なのは、何が「スパイ行為」にあたるのか、その定義が信じられないほど広く、曖昧なことです。
法律には「国家の安全と利益に関わる文書、データ、資料、物品」を不法に手に入れる行為が罰せられる、とあります。しかし、肝心の「国家の安全と利益」が何を指すのか、明確な基準は示されていません。
この曖昧さは、中国当局に最大限の解釈の余地を与えています。つまり、当局の判断一つで、旅行者の何気ない行動が「スパイ活動」と見なされてしまう危険性をはらんでいるのです。
日常の観光が「犯罪」になる可能性
では、具体的にどのような行動が危険なのでしょうか。信じがたいかもしれませんが、ごく普通の観光活動もリスクになりえます。
例えば、珍しい形の橋や港の風景、近代的な建物を写真に収める行為。これらが「重要インフラの情報を収集した」と解釈される可能性があります。実際に、過去にはスケッチをしていただけで拘束された事例もあるほどです。
また、地図アプリでGPS機能を使うことや、現地の知人と社会問題について少し立ち話をすることさえ、当局から見れば「違法な情報収集」や「扇動」と判断されかねません。
私が若い頃に旅した中国では、どこでも自由にカメラを向け、現地の人と語り合うのが旅の醍醐味でした。しかし、今の中国では、その感覚が命取りになる可能性を否定できないのです。訪れる側が「そのつもりはなかった」と主張しても、解釈するのはあくまで中国当局であることを、心に刻んでおく必要があります。
② 突然の拘束も。日本人ビジネスマンの実例
「反スパイ法」は、決して絵空事ではありません。実際に、私たちの同胞である日本人が中国で拘束され、自由を奪われるという痛ましい事態が相次いでいるのです。ビジネス目的で渡航した、ごく普通の会社員でさえ例外ではありません。
製薬会社幹部に下された重い現実
皆さんの記憶にも新しいであろう、大手製薬会社アステラス製薬の幹部社員が拘束された事件は、この問題の深刻さを日本中に知らしめました。中国で20年以上もビジネスに尽力してきた方が、ある日突然スパイ容疑で捕らえられたのです。
この一件は、たとえ長年中国社会に貢献してきた人物であっても、中国当局の判断一つで安全が保障されないという冷徹な事実を突きつけています。観光目的の旅行者が、同じような危険にさらされない保証はどこにもありません。
不透明なプロセスこそが「処罰」
本当に恐ろしいのは、拘束された後のプロセスです。容疑が何なのか、具体的な説明もないまま長期間にわたって身柄を拘束されます。日本の領事館との面会も厳しく制限され、外部からの助けを求めることも困難です。
伝えられるところによれば、拘束された人々は常に照明が灯された部屋で24時間監視されるなど、精神的に追い詰めるような過酷な状況に置かれます。何が罪に問われているのか本人にすら明かされないまま、ただ時間が過ぎていく。このプロセスそのものが、判決の前に下される「処罰」と言えるでしょう。一度起訴されてしまえば、有罪を免れることはほぼ不可能です。
外交の駒にされる危険性
さらに懸念されるのが、拘束された日本人が日中関係の駆け引きにおける「外交カード」として利用される、いわゆる「人質外交」です。個人の意思や行動とは全く関係のないところで、政治的な道具として扱われる危険性があります。
どのような目的で中国を訪れるにせよ、一度トラブルに巻き込まれれば、個人の力では到底太刀打ちできない巨大な力に翻弄されることになる。それが今の中国へ渡航するということなのです。
③ 現金もカードも使えない?デジタル決済の壁
法的なリスクとは別に、私たちの旅を物理的に阻む大きな壁があります。それは、お金の払い方、つまり「決済の壁」です。日本や他の多くの国での常識は、今の中国では全く通用しないと考えてください。旅の楽しさ以前に、経済活動から締め出されるという厳しい現実に直面します。
進みすぎたキャッシュレス社会の現実
現在の中国は、世界最先端のキャッシュレス社会です。都市部では、ほとんどの人がスマートフォン一つで支払いを済ませます。しかし、その便利さは主にAlipay(支付宝)とWeChat Pay(微信支付)という二大アプリによって支えられており、私たち外国人旅行者にとっては高い障壁となっています。
皆さんがお持ちのVisaやMastercardといった国際的なクレジットカードは、高級ホテルや一部の外資系店舗を除き、残念ながらほとんど使えません。私が昔旅した頃は現金が当たり前でしたが、今ではその現金さえ、小さな店では受け取りを拒否されるケースすらあるのです。これでは、水一本買うことにも苦労しかねません。
旅行者向け設定も「不完全」な解決策
「旅行者でもAlipayなどが使えるようになった」という情報を目にするかもしれません。確かに、日本にいる間にアプリを準備し、自分のクレジットカードを紐づけることで、現地での支払いが可能になります。
しかし、この方法は決して万能ではありません。まず、この設定は必ず中国へ出発する前に日本で済ませておく必要があります。現地に着いてからでは手遅れです。
さらに、この旅行者向けの機能はあくまで店舗での支払いに限定されており、現地の人々の間で日常的に行われる個人間送金は利用できません。また、全ての店でスムーズに使える保証はなく、手数料もかかります。結局、常に「ここでは使えるだろうか」という不安がつきまとう、不完全な解決策なのです。
飲み物一本、食事一回のために、これほどの不便と不安を強いられる。この決済の壁は、旅の喜びを根底から揺るがす、非常に大きなストレスと言えるでしょう。
④ GoogleもLINEも不通。ネット遮断の現実
決済の壁に加え、もう一つ、現代の旅行者にとって致命的とも言える障壁が存在します。それは情報の壁、通称「グレート・ファイアウォール」と呼ばれる、世界で最も強力なインターネット検閲システムです。皆さんが日本で毎日当たり前に使っているアプリやサイトは、中国に入った途端、そのほとんどが使えなくなると考えてください。
デジタル社会の孤児になる感覚
中国の空港に着いてスマートフォンをONにした瞬間、多くの人が呆然とします。Googleで簡単な検索をすることも、Googleマップでホテルの場所を確認することもできません。家族や友人にLINEで「無事着いたよ」とメッセージを送ることさえ不可能なのです。
X(旧Twitter)やInstagram、Facebook、WhatsAppといった主要なSNSもすべて遮断されています。これは、まるでデジタル社会の孤児になったかのような心細さです。道に迷った時、緊急の連絡を取りたい時、そうした旅先での生命線が、中国ではいとも簡単に断たれてしまいます。
VPNは「必須だが不安定な」命綱
この情報遮断を回避する手段として、VPN(仮想プライベートネットワーク)というツールがあります。VPNを使えば、中国国内からでも日本のサーバーを経由しているかのように見せかけ、ブロックされたサービスにアクセスすることが可能になります。
しかし、VPNも決して完璧な解決策ではありません。
まず、最も重要なことは、VPNのアプリは必ず、中国へ渡航する前に日本でインストールと契約を済ませておく必要があるという点です。中国国内からはVPNサービスの公式サイト自体がブロックされているため、現地に着いてからでは手遅れになります。
さらに、中国当局は常にVPNの通信を監視し、ブロックしようとしています。今日繋がったVPNが明日も繋がるとは限りません。そのため、複数の会社のVPNを契約しておくといった対策が必要になるほど、接続は不安定なのです。
常に接続の心配をしながら、情報統制の網の目をかいくぐる努力を強いられる。このようなストレスは、本来の旅の楽しみを大きく損なうものだと、私は考えます。
⑤ 安全神話の崩壊。頻発する無差別襲撃事件
中国は監視カメラが至る所にあり、スリや置き引きが少ない安全な国だ。そうしたイメージを持つ方も多いかもしれません。確かに、軽犯罪の発生率が低いのは事実です。しかし、その「安全神話」は今、音を立てて崩れ始めています。近年、より深刻で、予測不可能な暴力事件が、人々のすぐ側で頻発しているのです。
「天網」システムが防げない突発的な暴力
中国の主要都市は、「天網」と呼ばれる無数の監視カメラによって覆われています。このシステムは、確かにスリや置き引きといった犯罪の抑止力となり、街の安全なイメージを作り出してきました。
しかし、この監視網は、国家の安定を脅かすような組織的活動を監視することに主眼が置かれています。経済的な困窮や社会への絶望から個人が引き起こす、突発的な暴力行為を未然に防ぐ機能は、残念ながら十分に果たせていません。
その結果、公園や駅、学校といったごく普通の公共の場所で、刃物を持った人物による無差別襲撃事件が散発的に発生しています。2024年6月には蘇州で日本人親子が襲われるという痛ましい事件も起き、日本政府も注意を呼びかけています。
日常空間に潜む予測不能な危険
こうした事件の恐ろしい点は、その予測不可能性にあります。政治的なデモや特定の危険地帯とは異なり、ごくありふれた日常の空間で、誰がいつ標的になるか分かりません。
社会への不満を抱えた人物が、無関係な人々を巻き込んで自暴自棄な行動に出る。こうした事件は、警官や監視カメラの数では防ぎようがない、非常に根深い問題を背景にしています。
夜道を一人で歩けるから安全、という単純な指標はもはや通用しません。公園のベンチ、バス停の行列、そうした何気ない風景が、一瞬にして凄惨な事件の現場に変わりうる。この予測不能なリスクは、これまでの中国旅行で注意すべき危険とは全く質の異なる、新たな脅威なのです。
中国旅行の危険は個人で回避できるレベルを超えた

① 香港・ウイグルの今。決して他人事ではない現実
これまでに挙げてきた一つ一つのリスクは、単独で存在しているのではありません。すべての根底には、今の中国という国家の強権的な体質があります。その現実を最も色濃く映し出しているのが、香港、新疆ウイグル自治区、そしてチベット自治区の姿です。これらの地域で起きていることは決して他人事ではなく、旅行者である私たちに重要な警告を発しています。
失われた「自由の砦」香港
かつてアジアの自由な玄関口として、私も愛した香港の街は、その姿を大きく変えてしまいました。2020年に施行された「国家安全維持法」によって、香港に保障されていたはずの言論や集会の自由は、事実上失われたのです。
「一国二制度」という国際的な約束でさえ、中国政府の都合で一方的に形骸化されました。この現実は、私たち旅行者が安全の根拠とするべきルールや常識が、いかに脆く、絶対的なものではないかを物語っています。昨日まで安全だった場所が、明日も安全である保証はどこにもないのです。
監視と統制が支配するウイグル
新疆ウイグル自治区では、さらに徹底した監視と統制が敷かれています。この地域は日本の外務省からも危険情報「レベル1(十分注意してください)」が出されており、旅行者が足を踏み入れるには極めて高いリスクが伴います。
民族的、宗教的な緊張を背景に、個人の行動が厳しく制限される社会がそこにはあります。旅行者が意図せずとも、現地のデリケートな問題に触れてしまい、当局からあらぬ疑いをかけられる危険性は計り知れません。
長く続く苦難の地チベット
そして、チベット自治区もまた、長年にわたり厳しい統制下に置かれてきた土地です。独自の言語、文化、そしてチベット仏教という信仰が、常に政治的な緊張の中にあります。
過去には大規模な暴動も発生しており、今なお厳重な警備体制が敷かれています。私たちが純粋な気持ちで壮大な寺院を訪れ、僧侶と交流しようとしても、その行動が「政治的な意図がある」と当局に見なされる危険性があります。純粋な観光が、いとも簡単に政治問題へとすり替わってしまう土壌があるのです。
香港、ウイグル、そしてチベットで起きていることは、中国共産党による統治のあり方そのものです。国家の安定のためならば、個人の権利や自由、国際社会との約束さえも軽視されうる。そうした環境下では、外国人旅行者だから安全だという理屈は通用しないのです。
② 台湾有事の緊張。旅行者が巻き込まれる危険性
これまでのリスクは、主に中国の国内情勢に起因するものでした。しかし、今私たちが向き合わなければならないのは、東アジア全体を巻き込みかねない、より大規模な危機です。台湾をめぐる地政学的な緊張の高まりは、万が一「有事」となれば、旅行者を否応なく渦中に引きずり込む、最大級のリスクと言えます。
閉ざされる空と海。脱出不能のシナリオ
もし台湾をめぐって軍事的な緊張が限界に達した場合、まず何が起きるでしょうか。中国全土の空港や港は、即座に軍事管理下に置かれ、封鎖されると考えるべきです。民間航空機の運航は全面的に停止し、日本へ帰りたくても帰れない「足止め」状態に陥ります。
ウクライナ侵攻の際、多くの外国人が国外へ脱出するのに大変な困難を強いられました。異国の地で、いつ終わるとも知れない紛争の中に閉じ込められる。その恐怖と絶望感は、想像を絶します。
「敵国人」と見なされる最悪の事態
日米安全保障条約が存在する以上、台湾有事は日本にとって決して対岸の火事ではありません。日本が米軍の後方支援などを行えば、中国側から見て、日本は「敵対勢力」と見なされる可能性があります。
そうなった時、中国に滞在している日本人はどうなるでしょうか。単なる旅行者ではなく、「敵国の国民」というレッテルを貼られる危険性があります。先に述べた「反スパイ法」を口実に身柄を拘束されたり、高まる国民の反日感情の捌け口として、攻撃の対象になったりする。そうした最悪の事態も、決して非現実的な空想とは言えないのです。
これは、スリや病気といった従来の海外旅行リスクとは全く次元が異なります。個人の注意や準備では決して回避できない、国家間の対立という巨大な歯車に、旅行者という無力な個人が巻き込まれる。この深刻な可能性を無視して、今の中国へ渡航することは、あまりにも無謀だと私は断言します。
③ 反日感情の高まり。歴史問題とデモのリスク
多くの中国の人々は、個人として接すれば親切で、理性的です。私もこれまでの旅で、たくさんの優しさに触れてきました。しかし、国と国との関係、特に日中間に横たわる複雑な歴史問題は、時に個人の感情を超えた、大きなうねりを生み出します。この「反日感情」という名の見えない地雷は、旅行者が常に意識すべき深刻なリスクです。
特定の記念日に噴出する国民感情
特に注意が必要なのが、過去の歴史的な出来事に関連する記念日です。
例えば、7月7日の盧溝橋事件、8月15日の終戦記念日、9月18日の柳条湖事件(満州事変)、そして12月13日の南京事件追悼記念日などです。これらの日付の前後では、中国国内のメディア報道も過熱し、反日的な空気が一気に高まる傾向にあります。
普段は穏やかに見える街の雰囲気が、一日で様変わりする可能性があるのです。
政治に利用されるデモの危険性
こうした国民感情は、時に中国政府によって政治的に利用されることがあります。国内の不満や矛盾から民衆の目をそらすため、反日感情を煽り、デモを黙認あるいは扇動する場合があるのです。
過去には、領土問題をきっかけに中国各地で大規模な反日デモが発生し、日系のスーパーや工場、個人の所有する自動車が破壊されるといった事態に発展しました。
旅行者がもしこうしたデモに遭遇してしまったら、その危険は計り知れません。デモ隊の近くにいるだけで、日本人であるというだけで、憎悪の対象となり、罵声を浴びせられたり、危害を加えられたりする可能性も否定できないのです。
個人の行動がいかに慎重であっても、日本人であるというだけで、政治的な対立の矢面に立たされるかもしれない。この現実は、個人の努力だけで回避できるレベルの問題ではありません。これもまた、今の中国への渡航を私が強く推奨できない、大きな理由の一つです。
④ 保険だけでは不十分。弁護士特約は必須だが…
旅に出るなら、海外旅行保険への加入は常識中の常識です。怪我や病気、盗難といった不測の事態に備える、まさに生命線と言えます。しかし、今の中国が突きつけるリスクは、従来の保険が想定する範囲を、遥かに超えてしまっています。
なぜ「弁護士費用特約」が必須なのか
特に現在の中国旅行で絶対に外してはならないのが、「弁護士費用等特約」です。
この特約は、万が一、反スパイ法などの容疑で不当に拘束されたり、法的なトラブルに巻き込まれたりした際に、弁護士に相談・依頼するための費用を補償してくれます。治療費の補償ももちろん重要ですが、自由そのものを失うという、中国特有のリスクに対して、この特約は唯一の「法的な盾」となりうるのです。この特約を付けずに渡航することは、あまりにも無防備と言わざるを得ません。
保険は「万能の盾」ではないという現実
ですが、この特約を付けたからといって、安心できるわけでは決してありません。保険は、あくまで事が起きた後の金銭的なサポートに過ぎないからです。
拘束されている間の過酷な取り調べや、心身がすり減っていく苦痛を、保険が肩代わりしてくれるわけではありません。また、事件が高度に政治的な判断、いわゆる「人質外交」の様相を呈した場合、弁護士の活動も大きく制限され、法的な手続きがほとんど意味をなさない可能性さえあります。
万全の保険を準備することは、旅行者の最低限の義務です。しかし、その保険でさえ機能不全に陥る可能性があるのが、今の中国の現実なのです。お金では決して解決できない、自由や尊厳が脅かされるリスクが、そこには確かに存在します。最終的に自分の身を守れるのは自分しかいない。その重い事実を前に、なお渡航を決断できるのか、自問すべきでしょう。
⑤ それでも行きますか?旅人に求められる最終判断
ここまで、2025年現在の中国に潜む様々なリスクについて、私の知る限りを率直にお伝えしてきました。曖昧な法律による拘束の恐怖、日常に潜む暴力やデジタル社会の壁、そして国家間の対立に巻き込まれる危険性。
もちろん、中国の悠久の歴史や壮大な自然、奥深い食文化が、今も旅行者を惹きつけてやまない魅力的な国であることに変わりはありません。しかし、その魅力を安全に味わうために乗り越えるべきハードルが、あまりにも高く、そして危険になりすぎてしまった。それが、長年アジアを旅してきた私の偽らざる実感です。
リスクを天秤にかけるということ
かつての中国旅行は、言葉の壁や多少の衛生問題といった不便はあっても、それを遥かに上回る感動や発見がありました。しかし、今皆さんが直面するリスクは、根本的に質が異なります。
スリやぼったくりのような「お金で解決できる問題」ではありません。反スパイ法による拘束、台湾有事への巻き込まれといったリスクは、個人の自由や安全、時には生命そのものが脅かされる「取り返しのつかない問題」です。この二つを天秤にかける時、旅を愛する一人の人間として、私は「今は行かない」という選択を強く推奨せざるを得ません。
いつか、また安心して旅できる日を願って
この結論が、あなたの旅への情熱を冷ますためのものではないことを、ご理解いただければ幸いです。アジアを愛する者として、私もまた、いつの日か何の心配もなく、かの国の雄大な大地を訪れ、現地の人々と心から笑い合える日が来ることを切に願っています。
しかし、残念ながらその「いつか」は、「今」ではありません。賢明な旅人であるならば、今は静かにその時を待ち、より安全な他のデスティネーションに目を向けるべきだと、私は考えます。あなたの次なる旅が、常に安全で、素晴らしい思い出に満ちたものになることを願ってやみません。
まとめ:『中国旅行はやめとけ』と言われる危険性を知ることが第一歩

記事のポイント
- 改正反スパイ法により、観光客の写真撮影ですら拘束されるリスクがある
- 実際に日本人ビジネスマンがスパイ容疑で拘束される事件が相次いでいる
- 現金やクレジットカードがほぼ使えず、特殊なデジタル決済の準備が必須である
- ネット検閲によりGoogleやLINE、主要SNSが使えず、連絡や検索が困難
- 経済の悪化を背景に、公共の場での無差別襲撃事件が頻発している
- 台湾有事の際、空港が封鎖され日本へ帰国できなくなる可能性がある
- 国家間の対立の駒として、日本人が「人質外交」の対象にされる恐れがある
- 特定の記念日には反日感情が高まり、デモなどに巻き込まれる危険が増す
- 香港の現状のように、中国政府の都合でルールが突然変更され安全が保証されない
- 不当に拘束された場合、弁護士の活動が制限され保険が機能しないことがある
総括
なぜ「中国旅行はやめとけ」と言われるのか、その具体的な危険性についてお分かりいただけたでしょうか。
本記事では、改正「反スパイ法」による拘束リスク、現金やクレジットカードが使えない決済の壁、GoogleやLINEが遮断されるネット環境、そして予測不能な襲撃事件や台湾有事といった地政学リスクまで、現在の中国が抱える深刻な問題を詳しく解説しました。
これらは単なる噂や大げさな話ではなく、実際に日本人旅行者や駐在員の身に降りかかる可能性のある現実的な脅威です。個人の注意だけでは決して避けきれないこれらのリスクを知った上で、それでも渡航を決断するのか。その判断材料として、この記事があなたの役に立ったのであれば幸いです。
私は、あなたの旅が安全で素晴らしい思い出になることを心から願っています。だからこそ、あえて中国旅行の危険な側面を強調し、「今はやめとけ」という結論をお伝えしました。
当サイトでは、他にも安心して楽しめる海外の魅力的な旅行先や、あらゆる国で役立つ安全対策についても詳しく解説しています。あなたの次の旅を計画する際に、ぜひ他の記事も参考にしてください。